双眼鏡で星を見る見られる天体と選び方(倍率・口径の目安)
星を見るのに、いきなり天体望遠鏡を買う必要はありません。双眼鏡があれば、月のクレーターや星団、木星の衛星まで見られます。双眼鏡で見られる天体と、星空観察に向いた双眼鏡の選び方を紹介します。

双眼鏡で見られる天体
| 天体 | 見ごろ | どう見える? |
|---|---|---|
| 月 | 一年中(半月のころがおすすめ) | 欠けぎわにクレーターや山の影がくっきり。満月より半月のほうが立体的に見える |
| すばる(プレアデス星団) | 秋〜冬 | 肉眼の数個が、数十個の青白い星の集まりに広がる |
| オリオン大星雲(M42) | 冬 | 三つ星の下に、星をつつむ雲のような光 |
| アンドロメダ銀河(M31) | 秋 | 細長い楕円形のぼんやりした光。約250万光年先の銀河 |
| 木星とガリレオ衛星 | 見える時期による | 木星のそばに、小さな点が最大4つ一列に並ぶ。日によって位置が変わる |
| プレセペ星団(M44) | 春 | かに座の中に、星がぱらぱらと集まる |
| 天の川 | 夏 | 雲のような光が、無数の星の集まりだとわかる |
土星の環は、星空用の双眼鏡(7〜10倍)ではほとんど見分けられません。環を見たくなったら、天体望遠鏡の出番です。今どの惑星が見えるかは惑星カレンダーで確認できます。
星空観察に向いた双眼鏡の選び方
双眼鏡には「8×42」「7×50」のような数字が書かれています。前の数字が倍率、後ろの数字が対物レンズの直径(mm)です。
- 倍率は7〜10倍
倍率が高すぎると手ぶれで星が揺れて見えにくく、視野も狭くなります。手持ちで見るなら10倍までがおすすめです。 - レンズの直径は40〜50mm
レンズが大きいほど光をたくさん集められ、暗い星まで見えます。ただし重くなるので、持ち運びとのバランスで選びます。 - 「ひとみ径」をチェック
レンズの直径÷倍率を「ひとみ径」といいます(7×50なら約7mm)。暗い場所で開いた人の瞳の大きさに近いほど、明るく見えます。大人なら5〜7mmが目安です。
| 表示 | 向いている使い方 |
|---|---|
| 7×50 | 明るく視野が広い。星空観察の定番だが、やや重い |
| 8×42 | 明るさと軽さのバランスがよく、昼間のバードウォッチングなどにも使える |
| 10×50 | 星団や月を少し大きく見たい人向け。三脚があると安定する |
双眼鏡で星を見るときのコツ
- まず目で見つけてから向ける:肉眼で目標の星を見つけ、目線を動かさないまま双眼鏡を目の前に持ってくると、視野に入れやすくなります。
- ひじを固定する:車や手すりにひじをつけたり、寝転んで胸の上で構えたりすると、ぶれが少なくなります。
- ピントは片目ずつ:右目のピント(視度調整)をそれぞれ合わせると、星が小さな点にくっきり見えます。
絶対にやってはいけないこと
双眼鏡で太陽を見ないでください。レンズで集められた太陽の光で、一瞬で目を傷めてしまいます。夕方に西の空の月や金星を見るときも、太陽が沈んだあとにしましょう。
季節ごとの双眼鏡おすすめ天体
| 季節 | 天体 | 見どころ |
|---|---|---|
| 春 | プレセペ星団(かに座) | ぼんやりした光が、星の集まりに分かれる |
| 夏 | 天の川(いて座・はくちょう座あたり) | 無数の星と星雲 |
| 秋 | アンドロメダ銀河・二重星団 | 銀河の光、2つ並んだ星団 |
| 冬 | すばる・オリオン大星雲 | 青白い星の集まり、星が生まれる雲 |
| 一年中 | 月 | クレーター・海 |
双眼鏡をぶれずに持つコツ
- ひじを体につける、または壁や手すりにひじをのせる
- 寝転んで見る:高い空を見るときは、レジャーシートに寝転ぶと楽
- 三脚につける:双眼鏡用のアダプターを使うと、長く安定して見られる
倍率が高い双眼鏡ほど、手ぶれの影響が大きくなります。星見には7〜10倍が扱いやすいのはこのためです。
双眼鏡についての疑問
倍率が高い双眼鏡のほうがいい?
星を見るなら、7〜10倍がおすすめです。倍率が高いと、手ぶれで星がゆれて見え、視野もせまくなって天体を探しにくくなります。
「7×50」などの数字の意味は?
最初の数字が倍率、あとの数字が対物レンズの直径(mm)です。7×50なら、7倍で口径50mmです。口径が大きいほど暗い星まで見えますが、重くなります。
メガネをかけていても使える?
使えます。目当て(アイカップ)をたためるタイプや、「ハイアイポイント」と書かれた双眼鏡を選ぶと、メガネのままでも視野全体が見やすくなります。
子どもでも使える?
使えます。軽くて倍率の低い(6〜8倍)双眼鏡がおすすめです。目の幅(眼幅)を調整できるものを選びましょう。
双眼鏡の手入れ
- レンズのほこりは、ブロアーで吹き飛ばしてから、専用のクロスでやさしくふく
- 寒い屋外から暖かい部屋に入れたら、くもりが消えるまでケースから出しておく
- 湿気の少ない場所に保管して、カビを防ぐ
双眼鏡の数字と言葉
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 倍率 | 何倍に大きく見えるか。「7×50」なら7倍。星空には7〜10倍が使いやすい |
| 口径 | 前のレンズの直径(mm)。「7×50」なら50mm。大きいほど光を集め、暗い星まで見える |
| ひとみ径 | 口径÷倍率。のぞいたときに出てくる光の太さ。暗い所での人のひとみ(最大約7mm)に近いほど明るく見える |
| 実視界 | のぞいたときに見える範囲の角度。広いほど星を探しやすい |
| アイレリーフ | 目をはなしても視野全体が見えるきょり。メガネの人は15mm以上がめやす |
| 防振双眼鏡 | 手ぶれを自動でおさえる双眼鏡。値段は高いが、星がぴたりと止まって見える |
双眼鏡の数字の計算例
「7×50」の双眼鏡のひとみ径は、50÷7=約7.1mmです。暗い所での若い人のひとみの大きさとほぼ同じなので、とても明るく見えます。
「8×42」なら42÷8=約5.3mm、「10×25」なら25÷10=2.5mmです。ひとみ径が小さいほど、暗い天体は見えにくくなります。
年齢が上がると暗い所でのひとみは開きにくくなるので、5mm前後のものでも十分に明るく感じられます。
双眼鏡で見たい天体が、今夜どこにあるか3Dで確認できます。
星空を3Dで見る →よくある質問
星を見るなら双眼鏡は何倍がいい?
手持ちなら7〜10倍がおすすめです。倍率が高すぎると手ぶれで見にくくなります。7×50や8×42が星空観察の定番です。
双眼鏡で土星の環は見える?
7〜10倍の双眼鏡では、環はほとんど見分けられません。土星の環を見るには、30倍以上の天体望遠鏡が必要です。
双眼鏡と望遠鏡はどちらがいい?
初めてなら双眼鏡がおすすめです。視野が広くて天体を見つけやすく、星団や天の川、月のクレーターを手軽に楽しめます。惑星をくわしく見たくなったら望遠鏡を考えましょう。