星がきれいに見える場所の選び方日本の星空保護区と、近場で探すコツ
3行でわかる「星がよく見える場所」
- 大事なのは街明かり・月明かり・天気の3つ
- 街から車で30分〜1時間はなれるだけで、見える星の数は大きく増える
- 日本には星空保護区や、星空の美しさで知られる地域がある
「星を見に行きたいけれど、どこに行けばいいの?」。遠くの有名な場所でなくても、いくつかの条件をおさえれば、近場でも満天の星に出会えます。
星がよく見える3つの条件
| 条件 | ポイント |
|---|---|
| ① 街明かりが少ない | 街の光が空を明るくする「光害」が少ないほど、暗い星まで見える |
| ② 月明かりがない | 満月のころは明るすぎる。新月の前後がベスト |
| ③ 晴れていて空気が澄んでいる | 湿気やもやが少ない日。冬や、雨上がりの翌日がねらい目 |
月の満ち欠けは月齢カレンダーで、今夜の条件は今日の星空の「星空指数」で確認できます。
近場で暗い場所を探すコツ
- 光害マップを見る:夜の地球の明るさを地図にした「光害マップ」で、近くの暗い場所を探せる
- 街のどちら側に行くか:見たい方角に街があると、その方向の空が明るくなる。見たい方角と反対側に街がある場所を選ぶ
- 高い場所:山の上や高原は、空気が澄んでいて星が多く見える
- ひらけた場所:海岸、河原、広い公園などは空が広く見える
安全第一
夜の山道や海辺は危険もあります。立入禁止の場所や私有地には入らない、一人で行かない、懐中電灯(赤いライトがおすすめ)を持つ、を守りましょう。
日本の星空保護区
星空保護区は、暗い夜空を守る取り組みを、国際ダークスカイ協会(現 DarkSky International)が認定する制度です。
| 場所 | 認定・取り組み |
|---|---|
| 西表石垣国立公園(沖縄県) | 2018年、日本で初めて星空保護区に認定 |
| 神津島(東京都) | 2020年に星空保護区に認定 |
| 美星町(岡山県井原市) | 1989年に日本で初めて光害防止条例をつくった町。2021年に星空保護区に認定 |
このほかにも、長野県阿智村(環境省の調査で「星が最も輝いて見える場所」に選ばれたことがある)や、「星取県」として星空を守る取り組みを進める鳥取県など、星空で知られる地域が全国にあります。
行く前にチェックすること
- 月の出・月の入り
月が出ていない時間をねらいます。 - 天気予報と雲の動き
「晴れ」でも雲が多いことがあります。雲の予報もチェック。 - 防寒
夜は昼より5〜10℃寒くなります。夏でも上着を。 - 目を暗さに慣らす
着いてから15〜30分は、スマホの明るい画面を見ないようにします。
観察の準備と持ち物は星空観察のコツ、地域ごとの見え方は地方別の星空ガイドで紹介しています。
街なかでも楽しめる天体
暗い場所に行けなくても、街なかで見られる天体はたくさんあります。
- 月:満ち欠けやクレーター。双眼鏡で十分楽しめる
- 惑星:金星・木星・土星は明るく、街なかでもよく見える
- 1等星と明るい星座:オリオン座、夏の大三角、北斗七星など
- ISS:とても明るいので、街なかでもはっきり見える
光害をへらす取り組み
星空を守るため、各地で上向きの光を減らす照明や、必要のない明かりを消す取り組みが進められています。
家の外灯を下向きにしたり、夜おそくに消したりすることも、星空を守ることにつながります。
星空観察に向いている季節
| 季節 | 特徴 |
|---|---|
| 春 | かすみ(黄砂)が出やすく、星が少し見えにくい日も |
| 夏 | 天の川がいちばん見やすい。湿気が多く、もやが出やすい |
| 秋 | 空気が澄みはじめ、過ごしやすい。初心者におすすめ |
| 冬 | 空気がいちばん澄む。明るい星が多いが、寒さ対策が必須 |
季節ごとの見どころは今月の星空で紹介しています。
星空の暗さをはかる目安
| 空の状態 | 天の川 | 見える星の目安 |
|---|---|---|
| 都心 | 見えない | 1等星と一部の2等星 |
| 郊外の住宅地 | ほぼ見えない | 3〜4等星まで |
| 田舎・山のふもと | うっすら見える | 5等星くらいまで |
| 山の上・離島 | はっきり見える | 6等星まで |
「天の川が見えるかどうか」は、空の暗さのわかりやすい目安です。天の川が見える時期は天の川の見える時期で紹介しています。
星がきれいな場所についての疑問
山の上ならどこでも星がきれい?
高い場所は空気が澄んでいますが、ふもとの街明かりが下から空を照らすこともあります。見たい方角に大きな街がないかを確認しましょう。
海辺は星がきれい?
海の方向には街明かりがないので、とくに水平線近くの星がよく見えます。南が海の場所なら、南の低い空の星座を見るのに向いています。
キャンプ場は星を見るのに向いている?
街から離れていて空が広いキャンプ場は、星空観察に向いていることが多いです。ほかの利用者のライトに気をつけ、マナーを守って観察しましょう。
雨上がりの夜が星がきれいなのはなぜ?
雨が空気中のちりやほこりを落とすので、空気が澄んで、星がくっきり見えるからです。
暗い空を知るための言葉
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 光害(ひかりがい) | 街灯や建物の明かりで夜空が明るくなり、星が見えにくくなること |
| 星空保護区 | 国際的な団体(DarkSky International)が、星空を守る取り組みを認めた場所。日本では西表石垣国立公園(2018年)が最初 |
| 光害防止条例 | 夜空の明かりを減らすための決まり。岡山県の美星町(いまの井原市美星町)が1989年に定めたことで知られる |
| 限界等級 | その場所で肉眼で見える、いちばん暗い星の等級。都会では2〜3等、暗い場所では6等以上になる |
| 天文薄明 | 日の入り後も空がわずかに明るい時間。太陽が地平線の下18°まで沈むと、空が十分に暗くなる |
空の暗さを自分で確かめる方法
星がきれいな場所かどうかは、見える星の数で確かめられます。たとえば秋ならペガスス座の四辺形、冬ならオリオン座の四角の中に、いくつ星が見えるかを数えてみましょう。
同じ方法で、家の近くと出かけた先の空をくらべると、空の暗さのちがいがよくわかります。記録をつけておくと、季節や天気による変化もわかります。
今夜の空で、実際の星の位置を3Dで確かめられます。
星空を3Dで見る →よくある質問
星がきれいに見える日は?
新月の前後で、晴れて空気が澄んだ日です。冬や雨上がりの翌日がねらい目です。
近くで星がよく見える場所を探すには?
光害マップで暗い場所を探し、見たい方角に街がない場所を選びましょう。
日本の星空保護区はどこ?
西表石垣国立公園(沖縄県)、神津島(東京都)、美星町(岡山県井原市)などが認定されています。
目が暗さに慣れるまでどれくらい?
15〜30分ほどです。その間はスマホの明るい画面を見ないようにしましょう。