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ほしぞらドーム › 記事一覧 › 月めぐりの使い方 ・ 更新 2026-11-02

月めぐりの使い方と解説月の海・クレーター・着陸地点の一覧

文:HimaL(ほしぞらドーム) ・ 天体の日時や位置は天文計算で求め、公開情報と照らし合わせています(データと計算方法)

月めぐりは、NASAの月探査機LRO(ルナー・リコネサンス・オービター)の観測データから作った、満月のように明るく見やすい地図を貼った、3Dの月です。ブラウザだけで、月を好きな向きに回したり拡大したりでき、ふだん地球からは見えない月の裏側や、アポロの着陸地点も確かめられます。

スマホでもパソコンでも、インストールなしで動きます。

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使い方

なぜ月はいつも同じ面を向けているの?

月は約27.3日で地球のまわりを1周し、同じ27.3日で1回自転しています(同期自転)。そのため、地球からはいつもほぼ同じ面(表側)しか見えません。

表側には黒っぽい「海」が多いのに対し、裏側は地殻が厚く、溶岩があふれ出にくかったため、海がほとんどなくクレーターだらけです。

月は少しだけ首をふる(秤動)

月の軌道はだ円で、自転軸も少し傾いているため、地球から見る月は上下左右にわずかにゆれて見えます。これを秤動(ひょうどう)といい、そのおかげで地球からは月の表面の約59%を見ることができます。「今日の月」では、その日の秤動の向きも再現しています。

月の海

「海」といっても水はありません。昔の巨大な衝突でできたくぼみを、黒っぽい玄武岩の溶岩がうめた平らな場所です。

名前種類位置どんな場所?
静かの海海8.5°N・31.4°E1969年7月20日、アポロ11号がこの海の南西部に着陸し、人類が初めて月を歩きました。
晴れの海海28.0°N・17.5°E丸い形の海。東のふちのタウルス・リットロウ谷には、最後の有人月面着陸となったアポロ17号が降りました。
雨の海海32.8°N・15.6°W直径約1100km。表側でいちばん大きな円形の海で、巨大な天体の衝突でできた盆地を溶岩が埋めています。
嵐の大洋海18.4°N・57.4°W月でいちばん広い「海」。南北2500km以上にわたって広がり、アポロ12号はこの大洋に着陸しました。
危難の海海17.0°N・59.1°E表側の東のふちにある、まわりから切り離された楕円形の海。肉眼でも黒い点として見えます。
豊かの海海7.8°S・51.3°E表側の東にある海。旧ソ連の無人探査機ルナ16号が1970年にここから月の砂を持ち帰りました。
神酒の海海15.2°S・35.5°E丸い盆地にできた小さな海。日本の探査機SLIMは、この海の近くのクレーターの斜面に着陸しました。
雲の海海21.3°S・16.6°W表側の南にある海。東のふちには、長さ約110kmの断層「まっすぐな壁」があります。
湿りの海海24.4°S・38.6°W表側の南西にある、丸い小さな海。
氷の海海56.0°N・1.4°E北の方に東西に細長くのびる海。
蒸気の海海13.3°N・3.6°E表側のほぼまん中にある小さな海。
モスクワの海海(裏側)27.3°N・147.9°E月の裏側にある数少ない海のひとつ。裏側は地殻が厚く、溶岩があふれにくかったため、海がほとんどありません。
知られの海海10.0°S・22.3°W1964年に無人探査機レインジャー7号が近くの月面を撮影しながら落下し、それを記念して名づけられた海です。
東の海海(西のふち)19.9°S・94.7°W何重もの輪が的のように囲む、直径約900kmの美しい衝突盆地。地球からは月の西のふちにあり、ほぼ真横からしか見えません。
縁の海海13.3°N・86.1°E表側の東のふちにある海。月の向きのゆれ(秤動)によって、見えたり隠れたりします。
南の海海38.9°S・93.0°E表側の南東のふちから裏側にかけて、まだらに広がる海。
虹の入江入江44.1°N・31.5°W雨の海の北西にある半円形の入江。ふちのジュラ山脈が朝日に照らされる姿は「黄金の取っ手」とよばれます。
中央の入江入江2.4°N・1.7°E表側のちょうどまん中にある小さな入江。1967年にサーベイヤー6号が着陸しました。
夢の湖湖38.0°N・29.2°E晴れの海の北東にある、ぼんやりした暗い地域。

おもなクレーター

名前種類位置どんな場所?
ティコクレーター43.3°S・11.2°W直径約85km、約1億年前にできた若いクレーター。白い光の筋(光条)が月面の広い範囲にのび、満月のころによく目立ちます。
コペルニクスクレーター9.6°N・20.1°W直径約93km。中央に山がそびえる、表側を代表するクレーター。双眼鏡でも見えます。
ケプラークレーター8.1°N・38.0°W嵐の大洋の中にある、光条をもつクレーター(直径約30km)。
アリスタルコスクレーター23.7°N・47.4°W表側でいちばん明るく見えるクレーター(直径約40km)。月の暗い側でも地球照で光って見えることがあります。
プラトンクレーター51.6°N・9.4°W底が溶岩で平らにうまった、黒く見えるクレーター(直径約100km)。雨の海の北のふちにあります。
クラビウスクレーター58.4°S・14.4°W直径約230kmの大きなクレーター。2020年、ここで水の分子が見つかったと発表されました。
南極エイトケン盆地盆地(裏側)53.0°S・169.0°W直径約2500km、深さ8km以上。太陽系でも最大級の衝突のあとで、月の裏側の南半分に広がっています。
ツィオルコフスキークレーター(裏側)20.4°S・129.1°E底が黒い溶岩でうまった、裏側でめずらしいクレーター(直径約185km)。
アルキメデスクレーター29.7°N・4.0°W雨の海の中にある、底が平らなクレーター(直径約81km)。
エラトステネスクレーター14.5°N・11.3°Wコペルニクスの東にあるクレーター(直径約58km)。月の時代区分「エラトステネス代」の名前のもとです。
プトレマイオスクレーター9.3°S・1.9°W表側の中央近くにある、底が平らな大きなクレーター(直径約153km)。
アルフォンススクレーター13.4°S・2.8°Wプトレマイオスのすぐ南。1965年、レインジャー9号が月面を撮影しながらこの中に落下しました。
テオフィルスクレーター11.4°S・26.4°E神酒の海の北西にある、中央に大きな山をもつクレーター(直径約100km)。
ガッセンディクレーター17.5°S・39.9°W湿りの海の北のふちにある、底にひび割れのような谷が走るクレーター(直径約110km)。
グリマルディクレーター5.2°S・68.6°W表側の西のふちにある、とても黒く見える大きなくぼみ(直径約170km)。
ラングレヌスクレーター8.9°S・61.0°E豊かの海の東にある、光条をもつクレーター(直径約130km)。
ポシドニウスクレーター31.8°N・29.9°E晴れの海の北東のふちにある、底に細い谷が走るクレーター(直径約95km)。
まっすぐな壁断層22.1°S・7.8°W雲の海にある長さ約110kmのがけ。半月のころ、影や光の線として小さな望遠鏡でも見えます。
シャクルトンクレーター(南極)89.7°S・129.8°E月の南極にあるクレーター(直径約21km)。底には太陽の光が届かず、氷があるかもしれないと考えられ、将来の探査の候補地になっています。
ヘルツシュプルング盆地(裏側)2.6°N・128.7°W裏側にある、二重の輪をもつ直径約570kmの衝突盆地。
コロリョフクレーター(裏側)4.4°S・157.4°W裏側にある直径約440kmの大きなクレーター。
シュレーディンガークレーター(裏側)75.0°S・132.4°E裏側の南極近くにある、直径約320kmの比較的新しい衝突盆地。

月の着陸地点

人が月を歩いたのは、1969年から1972年までのアポロ計画の6回だけです。最近は、日本のSLIMや中国の嫦娥、インドのチャンドラヤーンなど、無人の着陸機が新しい場所に降りています。

名前種類位置どんな場所?
アポロ11号着陸地点(1969年7月)0.7°N・23.5°E人類初の月面着陸。アームストロング船長とオルドリン飛行士が約2時間半、月面で活動しました。
アポロ12号着陸地点(1969年11月)3.0°S・23.4°W2年半前に着陸していた無人探査機サーベイヤー3号のすぐそばに、ねらいどおり降りました。
アポロ14号着陸地点(1971年2月)3.6°S・17.5°Wフラ・マウロ高地に着陸。シェパード飛行士が月面でゴルフボールを打ちました。
アポロ15号着陸地点(1971年7月)26.1°N・3.6°Eハドリー谷に着陸。初めて月面車を使い、行動範囲が大きく広がりました。
アポロ16号着陸地点(1972年4月)9.0°S・15.5°E高地(デカルト高地)に初めて着陸したアポロ。
アポロ17号着陸地点(1972年12月)20.2°N・30.8°Eこれまでで最後の有人月面着陸。地質学者のシュミット飛行士も月を歩きました。
SLIM(日本)着陸地点(2024年1月20日)13.3°S・25.3°EJAXAの小型月着陸実証機。日本初の月面着陸で、ねらった場所から約55mという「ピンポイント着陸」に成功しました。
嫦娥4号(中国)着陸地点(2019年1月)45.4°S・177.6°E史上初めて月の裏側に着陸。南極エイトケン盆地の中のフォン・カルマン・クレーターです。
チャンドラヤーン3号(インド)着陸地点(2023年8月)69.4°S・32.3°E月の南極に近い場所に初めて着陸。南極付近には氷があると考えられています。
ルナ2号(旧ソ連)衝突地点(1959年9月)29.1°N・0.0°E人類がつくった物として初めて月に届いた探査機。月面にぶつかる形で到達しました。
ルナ9号(旧ソ連)着陸地点(1966年2月)7.1°N・64.4°W史上初めて月面に軟着陸し、月面のようすを写真で送ってきました。
サーベイヤー1号着陸地点(1966年6月)2.5°S・43.3°Wアメリカで初めて月面に軟着陸した無人探査機。アポロの着陸に備えて、月面の固さを調べました。
ルナ16号(旧ソ連)着陸地点(1970年9月)0.5°S・56.4°E無人機として初めて、月の砂を地球に持ち帰りました。
ルノホート1号(旧ソ連)着陸地点(1970年11月)38.3°N・35.0°Wルナ17号が運んだ、世界初の月面探査車。地球から遠隔操作で約10kmを走りました。
ルノホート2号(旧ソ連)着陸地点(1973年1月)25.9°N・30.4°Eルナ21号が運んだ2台目の月面探査車。ル・モニエ・クレーターの中を約40km走りました。
ルナ24号(旧ソ連)着陸地点(1976年8月)12.7°N・62.2°E危難の海に着陸し、月の砂を持ち帰りました。この後、約37年間だれも月に着陸しませんでした。
かぐや(日本)落下地点(2009年6月)65.5°S・80.4°EJAXAの月周回衛星。約1年半、月をくわしく観測したあと、計画どおり月面に落下させました。地球から見た「地球の出」のハイビジョン映像でも有名です。
嫦娥3号(中国)着陸地点(2013年12月)44.1°N・19.5°W中国初の月面着陸。探査車「玉兎」を走らせました。
嫦娥5号(中国)着陸地点(2020年12月)43.1°N・51.9°W嵐の大洋の北部に着陸し、約1.7kgの月の石や砂を持ち帰りました。
嫦娥6号(中国)着陸地点(2024年6月)41.6°S・154.0°W史上初めて、月の裏側から石や砂を持ち帰りました。裏側のアポロ盆地の中です。
オデュッセウス(アメリカ)着陸地点(2024年2月)80.1°S・1.4°E民間企業インテュイティブ・マシーンズの着陸機。民間として初めて月面に着陸しましたが、着陸のときに横に倒れました。
ブルーゴースト(アメリカ)着陸地点(2025年3月)18.6°N・61.8°E民間企業ファイアフライ・エアロスペースの着陸機。危難の海に、倒れずに着陸しました。

実際の空で月を見るには

海の形は肉眼でもわかります。双眼鏡があれば、ティコやコペルニクスなどの大きなクレーターも見えます。月の欠けぎわ(明暗の境目)は影が長くのびて、でこぼこがいちばんよくわかる場所です。今夜の月の形と時刻は月齢カレンダーで確かめられます。

地図データについて

月の表面の色の地図と高さのデータは、NASAゴダード宇宙飛行センター科学可視化スタジオ「CGI Moon Kit」(LROのLROC広角カメラとLOLAレーザー高度計の観測。

パブリックドメイン)をもとに、満月のときのように影のない明るい地図に整えて使っています。海(暗い平原)とクレーターの光条がくっきり見えます。

地名の位置は国際天文学連合(IAU)の地名辞典などによる中心のおよその位置です。

よくある質問

月の裏側は見られますか?

地球からは見えませんが、月めぐりでは「裏側」ボタンで月の裏側を見られます。裏側は海が少なく、クレーターにおおわれています。

アポロ11号はどこに着陸したの?

静かの海の南西部(北緯0.7°、東経23.5°ほど)です。月めぐりで「着陸地点」をえらぶと場所がわかります。

日本のSLIMはどこに着陸した?

2024年1月20日、神酒の海の近くのクレーター(SHIOLI)の斜面、南緯13.3°・東経25.3°ほどに着陸しました。

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