月めぐりの使い方と解説月の海・クレーター・着陸地点の一覧
月めぐりは、NASAの月探査機LRO(ルナー・リコネサンス・オービター)の観測データから作った、満月のように明るく見やすい地図を貼った、3Dの月です。ブラウザだけで、月を好きな向きに回したり拡大したりでき、ふだん地球からは見えない月の裏側や、アポロの着陸地点も確かめられます。
スマホでもパソコンでも、インストールなしで動きます。
月めぐりを開く →使い方
- 回す:画面をドラッグ。指を離すと少しだけ惰性で回ります。
- 拡大・縮小:2本指のピンチ、マウスのホイール、右の+/-ボタン。拡大すると小さな地名も出てきます。
- 今日の月:今夜21時に地球から見える面と、太陽の光の当たり方(月の満ち欠け)を再現します。
- 表側・裏側・北極・南極:ボタンで向きを切りかえます。「明るく」にすると、影のない地図として見られます。
- 地名をタップ:その場所まで近づいて、説明が出ます。下の「海」「クレーター」「着陸地点」で、表示する地名をしぼれます。
なぜ月はいつも同じ面を向けているの?
月は約27.3日で地球のまわりを1周し、同じ27.3日で1回自転しています(同期自転)。そのため、地球からはいつもほぼ同じ面(表側)しか見えません。
表側には黒っぽい「海」が多いのに対し、裏側は地殻が厚く、溶岩があふれ出にくかったため、海がほとんどなくクレーターだらけです。
月は少しだけ首をふる(秤動)
月の軌道はだ円で、自転軸も少し傾いているため、地球から見る月は上下左右にわずかにゆれて見えます。これを秤動(ひょうどう)といい、そのおかげで地球からは月の表面の約59%を見ることができます。「今日の月」では、その日の秤動の向きも再現しています。
月の海
「海」といっても水はありません。昔の巨大な衝突でできたくぼみを、黒っぽい玄武岩の溶岩がうめた平らな場所です。
| 名前 | 種類 | 位置 | どんな場所? |
|---|---|---|---|
| 静かの海 | 海 | 8.5°N・31.4°E | 1969年7月20日、アポロ11号がこの海の南西部に着陸し、人類が初めて月を歩きました。 |
| 晴れの海 | 海 | 28.0°N・17.5°E | 丸い形の海。東のふちのタウルス・リットロウ谷には、最後の有人月面着陸となったアポロ17号が降りました。 |
| 雨の海 | 海 | 32.8°N・15.6°W | 直径約1100km。表側でいちばん大きな円形の海で、巨大な天体の衝突でできた盆地を溶岩が埋めています。 |
| 嵐の大洋 | 海 | 18.4°N・57.4°W | 月でいちばん広い「海」。南北2500km以上にわたって広がり、アポロ12号はこの大洋に着陸しました。 |
| 危難の海 | 海 | 17.0°N・59.1°E | 表側の東のふちにある、まわりから切り離された楕円形の海。肉眼でも黒い点として見えます。 |
| 豊かの海 | 海 | 7.8°S・51.3°E | 表側の東にある海。旧ソ連の無人探査機ルナ16号が1970年にここから月の砂を持ち帰りました。 |
| 神酒の海 | 海 | 15.2°S・35.5°E | 丸い盆地にできた小さな海。日本の探査機SLIMは、この海の近くのクレーターの斜面に着陸しました。 |
| 雲の海 | 海 | 21.3°S・16.6°W | 表側の南にある海。東のふちには、長さ約110kmの断層「まっすぐな壁」があります。 |
| 湿りの海 | 海 | 24.4°S・38.6°W | 表側の南西にある、丸い小さな海。 |
| 氷の海 | 海 | 56.0°N・1.4°E | 北の方に東西に細長くのびる海。 |
| 蒸気の海 | 海 | 13.3°N・3.6°E | 表側のほぼまん中にある小さな海。 |
| モスクワの海 | 海(裏側) | 27.3°N・147.9°E | 月の裏側にある数少ない海のひとつ。裏側は地殻が厚く、溶岩があふれにくかったため、海がほとんどありません。 |
| 知られの海 | 海 | 10.0°S・22.3°W | 1964年に無人探査機レインジャー7号が近くの月面を撮影しながら落下し、それを記念して名づけられた海です。 |
| 東の海 | 海(西のふち) | 19.9°S・94.7°W | 何重もの輪が的のように囲む、直径約900kmの美しい衝突盆地。地球からは月の西のふちにあり、ほぼ真横からしか見えません。 |
| 縁の海 | 海 | 13.3°N・86.1°E | 表側の東のふちにある海。月の向きのゆれ(秤動)によって、見えたり隠れたりします。 |
| 南の海 | 海 | 38.9°S・93.0°E | 表側の南東のふちから裏側にかけて、まだらに広がる海。 |
| 虹の入江 | 入江 | 44.1°N・31.5°W | 雨の海の北西にある半円形の入江。ふちのジュラ山脈が朝日に照らされる姿は「黄金の取っ手」とよばれます。 |
| 中央の入江 | 入江 | 2.4°N・1.7°E | 表側のちょうどまん中にある小さな入江。1967年にサーベイヤー6号が着陸しました。 |
| 夢の湖 | 湖 | 38.0°N・29.2°E | 晴れの海の北東にある、ぼんやりした暗い地域。 |
おもなクレーター
| 名前 | 種類 | 位置 | どんな場所? |
|---|---|---|---|
| ティコ | クレーター | 43.3°S・11.2°W | 直径約85km、約1億年前にできた若いクレーター。白い光の筋(光条)が月面の広い範囲にのび、満月のころによく目立ちます。 |
| コペルニクス | クレーター | 9.6°N・20.1°W | 直径約93km。中央に山がそびえる、表側を代表するクレーター。双眼鏡でも見えます。 |
| ケプラー | クレーター | 8.1°N・38.0°W | 嵐の大洋の中にある、光条をもつクレーター(直径約30km)。 |
| アリスタルコス | クレーター | 23.7°N・47.4°W | 表側でいちばん明るく見えるクレーター(直径約40km)。月の暗い側でも地球照で光って見えることがあります。 |
| プラトン | クレーター | 51.6°N・9.4°W | 底が溶岩で平らにうまった、黒く見えるクレーター(直径約100km)。雨の海の北のふちにあります。 |
| クラビウス | クレーター | 58.4°S・14.4°W | 直径約230kmの大きなクレーター。2020年、ここで水の分子が見つかったと発表されました。 |
| 南極エイトケン盆地 | 盆地(裏側) | 53.0°S・169.0°W | 直径約2500km、深さ8km以上。太陽系でも最大級の衝突のあとで、月の裏側の南半分に広がっています。 |
| ツィオルコフスキー | クレーター(裏側) | 20.4°S・129.1°E | 底が黒い溶岩でうまった、裏側でめずらしいクレーター(直径約185km)。 |
| アルキメデス | クレーター | 29.7°N・4.0°W | 雨の海の中にある、底が平らなクレーター(直径約81km)。 |
| エラトステネス | クレーター | 14.5°N・11.3°W | コペルニクスの東にあるクレーター(直径約58km)。月の時代区分「エラトステネス代」の名前のもとです。 |
| プトレマイオス | クレーター | 9.3°S・1.9°W | 表側の中央近くにある、底が平らな大きなクレーター(直径約153km)。 |
| アルフォンスス | クレーター | 13.4°S・2.8°W | プトレマイオスのすぐ南。1965年、レインジャー9号が月面を撮影しながらこの中に落下しました。 |
| テオフィルス | クレーター | 11.4°S・26.4°E | 神酒の海の北西にある、中央に大きな山をもつクレーター(直径約100km)。 |
| ガッセンディ | クレーター | 17.5°S・39.9°W | 湿りの海の北のふちにある、底にひび割れのような谷が走るクレーター(直径約110km)。 |
| グリマルディ | クレーター | 5.2°S・68.6°W | 表側の西のふちにある、とても黒く見える大きなくぼみ(直径約170km)。 |
| ラングレヌス | クレーター | 8.9°S・61.0°E | 豊かの海の東にある、光条をもつクレーター(直径約130km)。 |
| ポシドニウス | クレーター | 31.8°N・29.9°E | 晴れの海の北東のふちにある、底に細い谷が走るクレーター(直径約95km)。 |
| まっすぐな壁 | 断層 | 22.1°S・7.8°W | 雲の海にある長さ約110kmのがけ。半月のころ、影や光の線として小さな望遠鏡でも見えます。 |
| シャクルトン | クレーター(南極) | 89.7°S・129.8°E | 月の南極にあるクレーター(直径約21km)。底には太陽の光が届かず、氷があるかもしれないと考えられ、将来の探査の候補地になっています。 |
| ヘルツシュプルング | 盆地(裏側) | 2.6°N・128.7°W | 裏側にある、二重の輪をもつ直径約570kmの衝突盆地。 |
| コロリョフ | クレーター(裏側) | 4.4°S・157.4°W | 裏側にある直径約440kmの大きなクレーター。 |
| シュレーディンガー | クレーター(裏側) | 75.0°S・132.4°E | 裏側の南極近くにある、直径約320kmの比較的新しい衝突盆地。 |
月の着陸地点
人が月を歩いたのは、1969年から1972年までのアポロ計画の6回だけです。最近は、日本のSLIMや中国の嫦娥、インドのチャンドラヤーンなど、無人の着陸機が新しい場所に降りています。
| 名前 | 種類 | 位置 | どんな場所? |
|---|---|---|---|
| アポロ11号 | 着陸地点(1969年7月) | 0.7°N・23.5°E | 人類初の月面着陸。アームストロング船長とオルドリン飛行士が約2時間半、月面で活動しました。 |
| アポロ12号 | 着陸地点(1969年11月) | 3.0°S・23.4°W | 2年半前に着陸していた無人探査機サーベイヤー3号のすぐそばに、ねらいどおり降りました。 |
| アポロ14号 | 着陸地点(1971年2月) | 3.6°S・17.5°W | フラ・マウロ高地に着陸。シェパード飛行士が月面でゴルフボールを打ちました。 |
| アポロ15号 | 着陸地点(1971年7月) | 26.1°N・3.6°E | ハドリー谷に着陸。初めて月面車を使い、行動範囲が大きく広がりました。 |
| アポロ16号 | 着陸地点(1972年4月) | 9.0°S・15.5°E | 高地(デカルト高地)に初めて着陸したアポロ。 |
| アポロ17号 | 着陸地点(1972年12月) | 20.2°N・30.8°E | これまでで最後の有人月面着陸。地質学者のシュミット飛行士も月を歩きました。 |
| SLIM(日本) | 着陸地点(2024年1月20日) | 13.3°S・25.3°E | JAXAの小型月着陸実証機。日本初の月面着陸で、ねらった場所から約55mという「ピンポイント着陸」に成功しました。 |
| 嫦娥4号(中国) | 着陸地点(2019年1月) | 45.4°S・177.6°E | 史上初めて月の裏側に着陸。南極エイトケン盆地の中のフォン・カルマン・クレーターです。 |
| チャンドラヤーン3号(インド) | 着陸地点(2023年8月) | 69.4°S・32.3°E | 月の南極に近い場所に初めて着陸。南極付近には氷があると考えられています。 |
| ルナ2号(旧ソ連) | 衝突地点(1959年9月) | 29.1°N・0.0°E | 人類がつくった物として初めて月に届いた探査機。月面にぶつかる形で到達しました。 |
| ルナ9号(旧ソ連) | 着陸地点(1966年2月) | 7.1°N・64.4°W | 史上初めて月面に軟着陸し、月面のようすを写真で送ってきました。 |
| サーベイヤー1号 | 着陸地点(1966年6月) | 2.5°S・43.3°W | アメリカで初めて月面に軟着陸した無人探査機。アポロの着陸に備えて、月面の固さを調べました。 |
| ルナ16号(旧ソ連) | 着陸地点(1970年9月) | 0.5°S・56.4°E | 無人機として初めて、月の砂を地球に持ち帰りました。 |
| ルノホート1号(旧ソ連) | 着陸地点(1970年11月) | 38.3°N・35.0°W | ルナ17号が運んだ、世界初の月面探査車。地球から遠隔操作で約10kmを走りました。 |
| ルノホート2号(旧ソ連) | 着陸地点(1973年1月) | 25.9°N・30.4°E | ルナ21号が運んだ2台目の月面探査車。ル・モニエ・クレーターの中を約40km走りました。 |
| ルナ24号(旧ソ連) | 着陸地点(1976年8月) | 12.7°N・62.2°E | 危難の海に着陸し、月の砂を持ち帰りました。この後、約37年間だれも月に着陸しませんでした。 |
| かぐや(日本) | 落下地点(2009年6月) | 65.5°S・80.4°E | JAXAの月周回衛星。約1年半、月をくわしく観測したあと、計画どおり月面に落下させました。地球から見た「地球の出」のハイビジョン映像でも有名です。 |
| 嫦娥3号(中国) | 着陸地点(2013年12月) | 44.1°N・19.5°W | 中国初の月面着陸。探査車「玉兎」を走らせました。 |
| 嫦娥5号(中国) | 着陸地点(2020年12月) | 43.1°N・51.9°W | 嵐の大洋の北部に着陸し、約1.7kgの月の石や砂を持ち帰りました。 |
| 嫦娥6号(中国) | 着陸地点(2024年6月) | 41.6°S・154.0°W | 史上初めて、月の裏側から石や砂を持ち帰りました。裏側のアポロ盆地の中です。 |
| オデュッセウス(アメリカ) | 着陸地点(2024年2月) | 80.1°S・1.4°E | 民間企業インテュイティブ・マシーンズの着陸機。民間として初めて月面に着陸しましたが、着陸のときに横に倒れました。 |
| ブルーゴースト(アメリカ) | 着陸地点(2025年3月) | 18.6°N・61.8°E | 民間企業ファイアフライ・エアロスペースの着陸機。危難の海に、倒れずに着陸しました。 |
実際の空で月を見るには
海の形は肉眼でもわかります。双眼鏡があれば、ティコやコペルニクスなどの大きなクレーターも見えます。月の欠けぎわ(明暗の境目)は影が長くのびて、でこぼこがいちばんよくわかる場所です。今夜の月の形と時刻は月齢カレンダーで確かめられます。
地図データについて
月の表面の色の地図と高さのデータは、NASAゴダード宇宙飛行センター科学可視化スタジオ「CGI Moon Kit」(LROのLROC広角カメラとLOLAレーザー高度計の観測。
パブリックドメイン)をもとに、満月のときのように影のない明るい地図に整えて使っています。海(暗い平原)とクレーターの光条がくっきり見えます。
地名の位置は国際天文学連合(IAU)の地名辞典などによる中心のおよその位置です。
よくある質問
月の裏側は見られますか?
地球からは見えませんが、月めぐりでは「裏側」ボタンで月の裏側を見られます。裏側は海が少なく、クレーターにおおわれています。
アポロ11号はどこに着陸したの?
静かの海の南西部(北緯0.7°、東経23.5°ほど)です。月めぐりで「着陸地点」をえらぶと場所がわかります。
日本のSLIMはどこに着陸した?
2024年1月20日、神酒の海の近くのクレーター(SHIOLI)の斜面、南緯13.3°・東経25.3°ほどに着陸しました。
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