月の模様(うさぎ)の正体は?「海」とクレーターのでき方と、いつも同じ面が見える理由
3行でわかる「月の模様」
- うさぎに見える黒い部分は「海」。水ではなく、溶岩が固まった平らな土地
- 白っぽい部分は高地で、たくさんのクレーターにおおわれている
- 月はいつも同じ面を地球に向けているので、模様はいつも同じに見える
日本では、月の模様は「もちをつくうさぎ」にたとえられます。この黒っぽい部分は、大昔に月の内部からあふれ出た溶岩が固まったものです。
黒い部分は「海」
月の黒っぽい部分は「海」と呼ばれます。17世紀に望遠鏡で月を見た人たちが、水をたたえた海だと考えて名づけました。
実際には水はなく、玄武岩という黒っぽい溶岩が固まった平原です。約30億〜40億年前に、大きな天体がぶつかってできたくぼ地に、溶岩が流れこんでできました。
| おもな海 | ひとこと |
|---|---|
| 静かの海 | 1969年にアポロ11号が着陸した場所 |
| 晴れの海 | 丸い形をした海 |
| 豊かの海 | 旧ソ連の無人探査機が石を持ち帰った場所 |
| 嵐の大洋 | いちばん大きな海。月の表側の西側に広がる |
白い部分は「高地」とクレーター
白っぽく見える部分は高地です。海より古い土地で、クレーターがびっしり重なっています。
クレーターは、隕石などがぶつかってできた円いくぼみです。月には空気や雨がないので、何十億年も前のクレーターがそのまま残っています。
- ティコ:南のほうにある明るいクレーター。満月のころ、放射状の白い筋が目立つ
- コペルニクス:嵐の大洋にある大きなクレーター。双眼鏡でも見える
世界の「月の模様」
同じ模様でも、国や地域によって見え方はさまざまです。
- 日本・中国など:もちつき(薬づくり)をするうさぎ
- 南ヨーロッパ:カニ
- 北ヨーロッパ:本を読むおばあさん
- そのほか、女性の横顔やライオンなどにたとえる地域もある
いつも同じ面が見えるのはなぜ?
月は、地球のまわりを1周する(約27.3日)あいだに、ちょうど1回だけ自転しています。
そのため、いつも同じ面を地球に向けていて、地球から月の裏側は見えません。これは、長い時間のあいだに地球の引力が月の自転にブレーキをかけた結果です。
ちょっとだけ裏側も
月の軌道は少し楕円で、傾いているため、地球からは月の表面の約6割を見ることができます。
3Dで月を回してみよう
月めぐりでは、月を3Dで回して、海やクレーター、アポロの着陸地点を確かめられます。「裏側」ボタンで、地球からは見えない面も見られます。
月の満ち欠けのしくみは月の満ち欠けの順番と仕組みへ。
双眼鏡で月を見てみよう
双眼鏡で月を見ると、海とクレーターの違いがよくわかります。
- 半月のころがおすすめ:欠けぎわに影ができて、クレーターや山が立体的に見える
- 満月のころ:影がなくなり平らに見えるが、ティコから広がる白い筋がよく目立つ
双眼鏡の選び方は双眼鏡で星を見るで紹介しています。
月の石と探査
1969〜1972年に、アポロ計画の宇宙飛行士たちが月に着陸し、合計で約380kgの月の石を持ち帰りました。
月の石の研究から、月は約45億年前、地球に大きな天体がぶつかってできたという説が有力になっています(ジャイアント・インパクト説)。
月の満ち欠けで変わる模様の見え方
うさぎの模様が全部見えるのは、満月のころです。三日月のころは「うさぎ」の一部(豊かの海や危難の海)だけが見えます。
半月を過ぎると、静かの海や晴れの海が見えてきます。月の形と、見えている海の関係を観察するのもおもしろいテーマです。
毎日の月の形は月齢カレンダーで確認できます。
月のおもな地名
| 名前 | 種類 | 見やすい時期 |
|---|---|---|
| ティコ | クレーター(白い筋) | 満月のころ |
| コペルニクス | クレーター | 上弦の数日後 |
| プラトン | 暗い底のクレーター | 上弦のころ |
| アペニン山脈 | 山脈 | 上弦のころ |
| 静かの海 | 海 | 三日月すぎ〜満月 |
これらの場所は月めぐりで名前をタップすると、説明が見られます。
月の表面についての疑問
月のクレーターはいくつある?
直径1km以上のものだけでも、数十万個以上あると考えられています。小さなものまで数えると、数えきれないほどです。
月に水はある?
海に水はありませんが、月の南極などの、いつも日が当たらないクレーターの底に、氷があるかもしれないと考えられています。将来の月探査で注目されています。
月の裏側はどうなっている?
裏側には「海」がほとんどなく、白っぽい高地とクレーターが広がっています。表側とまったく違う顔をしています。
アポロの着陸地点は望遠鏡で見える?
地球から望遠鏡で、着陸船などの機材を見ることはできません。小さすぎるからです。月を回る探査機の写真では、着陸船のあとが写っています。
月の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直径 | 約3500km(地球の約4分の1) |
| 地球からの距離 | 約38万km |
| 重力 | 地球の約6分の1 |
| 公転周期 | 約27.3日 |
| 満ち欠けの周期 | 約29.5日 |
月の地形ができた順番
月の表面の地形は、長い時間をかけて少しずつできました。地形のできた順番がわかると、月の写真がまったくちがって見えてきます。
| 時代 | できごと | いま見える地形 |
|---|---|---|
| 約45億年前 | 月が生まれ、表面が冷えて固まる | 白っぽい高地 |
| 約40〜38億年前 | 大きないん石がたくさんぶつかり、巨大な盆地ができる | 雨の海などの大きな丸いくぼみ |
| 約39〜30億年前 | 地下からわき出た溶岩が盆地を満たして固まる | 黒っぽい「海」 |
| それ以後 | その後もいん石がぶつかり、新しいクレーターができる | コペルニクス、ティコ(約1億年前)など |
新しいクレーターのまわりには、ぶつかったときに飛び散った白いすじ(光条)が残っています。満月のころ、双眼鏡で月の下のほう(南)にあるティコを見ると、放射状の白いすじがよくわかります。
この記事のまとめ
- 月の黒い部分は「海」で、昔の溶岩が固まった平らな土地
- 白い部分は古い「高地」で、クレーターがたくさんある
- 月はいつも同じ面を地球に向けているので、模様はいつも同じ
- 満ち欠けの欠けぎわでは、クレーターが影で立体的に見える
- 双眼鏡でも、大きなクレーターや海の形がよくわかる
月を3Dで回して、海やクレーターを見てみましょう。
月めぐりを開く →よくある質問
月のうさぎの正体は?
「海」と呼ばれる、黒っぽい溶岩が固まった平らな土地です。
月の海に水はある?
ありません。昔の人が海だと考えて名づけたのが、そのまま使われています。
月の裏側が見えないのはなぜ?
月が地球のまわりを1周するあいだに1回自転するため、いつも同じ面を地球に向けているからです。
双眼鏡でクレーターは見える?
見えます。半月のころは影ができて、欠けぎわのクレーターが立体的に見えます。