北極星の見つけ方北斗七星・カシオペヤ座からたどる方法と、動かない理由
3行でわかる「北極星」
- 北極星は真北の空にあり、一晩中ほとんど動かない
- 見つけ方は北斗七星のひしゃくの先を約5倍、またはカシオペヤ座のWからたどる
- 北極星の高さ=その場所の緯度(東京なら約36°)。明るさは2等星
北極星は、方角を知る目印として昔から大切にされてきた星です。でも、じつはそれほど明るい星ではありません。目印になる星から順にたどるのが、確実な見つけ方です。

北極星はどこにある?
北極星は、真北の空にあります。高さは、見ている場所の緯度とほぼ同じです。
| 場所 | 北極星の高さ(目安) |
|---|---|
| 札幌 | 約43° |
| 東京 | 約36° |
| 大阪 | 約35° |
| 福岡 | 約34° |
| 那覇 | 約26° |
腕をまっすぐのばして、にぎりこぶし1つ分がおよそ10°です。東京なら、地平線からこぶし3つ半ほどの高さを探します。
見つけ方①:北斗七星からたどる
北斗七星は、ひしゃくの形に並んだ7つの星です。春から夏の夜は、北の空の高いところに見えます。
- ひしゃくの先の2つの星を見つける
ひしゃくの水をくむ部分の、外側の2つの星です。 - 2つの星の間かくを約5倍のばす
ひしゃくの口の方向へ、まっすぐのばします。 - そこにある2等星が北極星
まわりに明るい星がないので、ぽつんと見えます。
見つけ方②:カシオペヤ座からたどる
秋から冬の夜は、北斗七星が低くなって見つけにくくなります。そのときは、Wの形のカシオペヤ座を使います。
- Wの両はしの2本の線をのばす
線が交わる点を見つけます。 - 交わった点とWのまん中の星を結ぶ
- その線を、まん中の星の方へ約5倍のばす
そこに北極星があります。
季節で使い分け
春・夏は北斗七星、秋・冬はカシオペヤ座。北極星をはさんで反対側にあるので、どちらかは高く昇っています。
北極星が動かないのはなぜ?
夜空の星は、地球の自転のために、1時間に約15°ずつ東から西へ動いて見えます。
そのとき、星が回る中心になるのが、地球の自転の軸をのばした先(天の北極)です。北極星はたまたまそのすぐ近くにあるので、ほとんど動かないように見えるのです。
ただし、北極星は天の北極から約0.7°はなれています。長い時間をかけて写真を撮ると、小さな円をえがいているのがわかります。
北極星はずっと北極星ではない
地球の自転の軸は、こまのように約2万6000年かけてゆっくり向きを変えています(歳差運動)。
そのため、北極星の役目をする星は入れかわります。約1万2000年後には、こと座のベガが北極星の近くに来ると考えられています。
北極星のプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 星座 | こぐま座(しっぽの先) |
| 明るさ | 約2等 |
| 距離 | 約430光年 |
| 英語名 | Polaris(ポラリス) |
| 特徴 | 黄色っぽい超巨星。明るさがわずかに変わる変光星 |
こぐま座のほかの星や、北極星の「番人」と呼ばれる星についてはこぐま座のページで紹介しています。
北極星で方角を知る
北極星が見つかれば、その方向が真北です。北を向いたとき、右が東、左が西、うしろが南になります。
方位磁石がさす「北」は、地磁気の北なので、日本では真北から西へ5〜10°ほどずれています(場所によって違います)。星を使うと、より正確な北がわかります。
南十字星と天の南極
南半球には、北極星のような明るい星がありません。南の方角を知るには、南十字星(みなみじゅうじ座)の長い方の線をのばす方法などが使われてきました。
みなみじゅうじ座は、日本では沖縄など南の地域で、春の夜に地平線近くに見ることができます。
写真で「星の回転」を撮る
カメラを三脚に固定して、北の空を長い時間撮影すると、北極星を中心に星が円をえがく写真(星の軌跡)が撮れます。
スマホでも、長時間露光や連続撮影の合成ができるアプリを使えば挑戦できます。撮り方の基本はスマホで星空を撮る方法で紹介しています。
北極星が見つからないときのチェック
- 方角が合っているか:スマホの地図や方位磁石で北を確認する
- 高さが合っているか:地平線からこぶし3〜4つ分(東京)。低すぎ・高すぎを探していないか
- 明るい星を探していないか:北極星は2等星。まわりに明るい星がないので、「ぽつんとある少し明るい星」を探す
- 北に街明かりや建物がないか:北の空がひらけた場所に移動する
北極星と日本の文化
日本では、北極星は「北の一つ星」「子(ね)の星」などと呼ばれ、方角を知る目印として船乗りなどに大切にされてきました。
北極星を神として祭る「妙見信仰」も各地に伝わっていて、北極星や北斗七星にちなんだ神社やお寺が今も残っています。
北極星についての疑問
北極星は1つの星?
望遠鏡で見ると、北極星のそばに暗い星が見えます。くわしい観測から、北極星は少なくとも3つの星が組になった「連星」だとわかっています。
北極星はいつ見られる?
一年中、一晩中見られます。北の空の、ほぼ同じ場所にあります。
北極星が見える高さが場所によって違うのはなぜ?
地球が丸いからです。北極に近づくほど北極星は高くなり、北極では真上、赤道では地平線すれすれになります。
北極星の高さを測る道具をつくろう
分度器と糸、5円玉を使うと、北極星の高さ(その場所の緯度)を自分で測ることができます。
- 分度器のまん中の穴に糸を通し、糸の先に5円玉を結んでおもりにします。
- 分度器のまっすぐな辺にストローをテープでとめ、のぞき穴にします。
- ストローから北極星をのぞき、たれ下がった糸と、分度器のまっすぐな辺との間の角度を読みます。
- 読んだ角度を90°から引いた数が、北極星の高さです。
東京なら約36°、札幌なら約43°になるはずです。旅行先でも測ってみると、北へ行くほど北極星が高くなることを自分で確かめられます。夏休みの自由研究にもおすすめです。
この記事のまとめ
- 北極星は真北の空にあり、ほとんど動かない
- 北斗七星やカシオペヤ座からたどって見つけられる
- 北極星の高さは、その場所の緯度とほぼ同じ
- 約1万2千年後には、こと座のベガが北極星の役目をする
北極星や北斗七星の位置を、今夜の空で確かめられます。
北の空を3Dで見る →よくある質問
北極星はどの方角?
真北です。高さは、見ている場所の緯度とほぼ同じです。
北極星は一番明るい星?
いいえ、約2等星で、それほど明るくありません。北斗七星やカシオペヤ座からたどると見つけやすいです。
北極星は動かないの?
ほとんど動きませんが、天の北極から約0.7°はなれているので、小さな円をえがいて回っています。
南半球でも北極星は見える?
見えません。北極星は北半球の空の星で、赤道より南では地平線の下になります。