星の等級とは?1等星と6等星の明るさの違いをわかりやすくマイナス等級も
3行でわかる「等級」
- 数字が小さいほど明るい。1等星は6等星より明るい
- 1等級ちがうと明るさは約2.5倍、5等級ちがうとちょうど100倍
- とても明るい天体は0等やマイナスになる(金星は約−4等、満月は約−13等)
「1等星」「6等星」という言葉は、星の明るさのランクをあらわしています。数字が小さいほど明るい、というのが最初のポイントです。

等級は「数字が小さいほど明るい」
等級のはじまりは、2000年以上前の古代ギリシャです。天文学者ヒッパルコスが、肉眼で見える星を明るさで6つのグループに分けました。
いちばん明るい星を「1等星」、やっと見える暗い星を「6等星」としたのが始まりです。
覚え方
順位と同じ、と考えるとわかりやすいです。1位(1等星)がいちばん明るく、6位(6等星)がいちばん暗い。
1等級で約2.5倍、5等級で100倍
19世紀に、等級は計算できるようにきちんと決められました。5等級の差が、ちょうど100倍の明るさの差になるように決めたのです。
| 等級の差 | 明るさの差 |
|---|---|
| 1等級 | 約2.5倍 |
| 2等級 | 約6.3倍 |
| 3等級 | 約16倍 |
| 5等級 | 100倍 |
| 10等級 | 1万倍 |
つまり1等星は、6等星の約100倍明るい星です。
0等やマイナスの等級もある
1等星より明るい天体は、0等、−1等…と、マイナスの数字であらわします。
| 天体 | おおよその等級 |
|---|---|
| 太陽 | 約−27等 |
| 満月 | 約−13等 |
| 金星(いちばん明るいころ) | 約−4.7等 |
| 木星 | 約−2〜−3等 |
| シリウス(いちばん明るい恒星) | 約−1.5等 |
| ベガ | 約0等 |
| 北極星 | 約2等 |
| 肉眼で見える限界(暗い空) | 約6等 |
夜空でとても明るく光る星があれば、それは金星や木星などの惑星であることが多いです。くわしくは夜空でいちばん明るい星の見分け方で紹介しています。
見かけの等級と絶対等級
ふつう「等級」というと、地球から見た明るさ(見かけの等級)のことです。
でも、近くにある暗い星も、遠くにある明るい星も、同じくらいに見えることがあります。そこで、すべての星を同じ距離(32.6光年)に並べたときの明るさを「絶対等級」と呼びます。
- 太陽:見かけの等級は約−27等。でも絶対等級は約4.8等で、星としてはふつうの明るさ
- デネブ:見かけは約1.3等。でも絶対等級は約−8等で、太陽の数万倍も明るい星
街なかでは何等星まで見える?
空の明るさによって、見える星の等級は大きく変わります。
| 場所 | 見える星の目安 | 見える星の数(全天) |
|---|---|---|
| 都心 | 2〜3等星まで | 数十〜100個ほど |
| 郊外 | 4等星くらいまで | 数百個 |
| 山や海など暗い場所 | 6等星まで | 数千個 |
星が少ないと感じたら、街の明かりから少しはなれてみましょう。星空観察のコツや星がきれいに見える場所の選び方も参考にしてください。
1等星は全部で21個
夜空でとくに明るい「1等星」は、全天に21個あります。日本からはそのうち15〜16個ほどを見ることができます。
季節ごとの1等星は1等星一覧で紹介しています。冬は1等星が多く、オリオン座だけで2つあります。
星の明るさが変わる「変光星」
星の中には、明るさが変わる変光星もあります。
- アルゴル(ペルセウス座):約2日21時間ごとに、2等星から3等星くらいまで暗くなる
- ミラ(くじら座):約11か月の周期で、2等星くらいから肉眼で見えない10等星くらいまで変わる
- ベテルギウス(オリオン座):2019年の終わりから2020年にかけて、大きく暗くなって話題になった
等級を自分で確かめてみよう
明るさのわかっている星と見比べると、ほかの星の等級を目で見積もることができます。たとえば北斗七星には、約2等の星と約3等の星(メグレズ)が並んでいます。
「メグレズより少し暗い」なら3等台、というように比べていくと、星の明るさの感覚がつかめます。空の明るさの目安にもなります。
天体写真の「何等まで写る?」
カメラは光をためることができるので、肉眼より暗い星まで写せます。スマホで数秒の露出をすると、空の暗い場所なら6〜7等星くらいまで写ることもあります。
大型望遠鏡では、20等をはるかにこえる暗い天体まで観測されています。ハッブル宇宙望遠鏡は、約30等級の銀河もとらえています。
明るさをあらわす言葉のいろいろ
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 視等級(見かけの等級) | 地球から見たときの明るさ |
| 絶対等級 | 32.6光年の距離に置いたときの明るさ |
| 極限等級 | その場所や道具で見える、いちばん暗い星の等級 |
| 等級(数字の前の「−」) | 0等より明るいことをあらわす |
天文の記事やニュースで「○等」と出てきたら、ほとんどは視等級のことです。
等級についての疑問
なぜ数字が小さいほど明るいの?
古代ギリシャで、いちばん明るい星を「1番目のグループ(1等)」としたのが始まりだからです。順位と同じように考えるとわかりやすいです。
「1.5等」のような小数もあるの?
あります。いまの等級は計算で決めているので、0.1等ごとなど細かくあらわせます。ニュースや図鑑では、四捨五入して「1等星」「2等星」と呼ぶことが多いです。
惑星の等級は変わるの?
変わります。惑星は地球との距離や、太陽の光の当たり方が変わるため、時期によって明るさが大きく変わります。火星は、地球に近いときと遠いときで、明るさが50倍以上ちがうこともあります。
等級の差と明るさの比
| 等級の差 | 明るさの比(約) | 例 |
|---|---|---|
| 1等 | 2.5倍 | 1等星と2等星 |
| 2等 | 6.3倍 | 1等星と3等星 |
| 3等 | 16倍 | 1等星と4等星 |
| 5等 | 100倍 | 1等星と6等星 |
| 10等 | 1万倍 | 肉眼の限界(6等)と、望遠鏡で見える16等星 |
| 14等 | 約40万倍 | 太陽(−26.7等)と満月(−12.7等) |
表を使うと、明るい天体どうしの明るさの比べっこができます。たとえば、太陽は満月の約40万倍も明るいことがわかります。金星(約−4等)とシリウス(約−1.5等)は約2.5等の差なので、金星はシリウスの約10倍明るく見えます。
今夜の空で、実際の星の位置を3Dで確かめられます。
星空を3Dで見る →よくある質問
1等星と6等星はどれくらい明るさが違う?
約100倍です。5等級の差が100倍の明るさの差になるように決められています。
マイナス等級とは?
1等星より明るい天体の等級です。0等の次が−1等で、数字が小さいほど明るくなります。
いちばん明るい恒星は?
太陽をのぞくと、おおいぬ座のシリウスで約−1.5等です。
肉眼で見える一番暗い星は何等?
空が暗い場所で、約6等星までです。